機械設計者必見!!噂のMISUMI FRAMESレビュー!設計工数90%削減?本当に使えるか検証してみた
今回は、ミスミが提供する
「MISUMI FRAMES(ミスミフレームズ)」について書きたいと思います。
安全柵やフレームといった筐体の設計を支援するソフトウェアです。
従来のCADを用いての設計に比べ、大幅に工数削減できるのが売りだそうです。
実際に使ってみて、今後実務で使えそうかどうかを検証しました。
この記事を読めば、
- MISUMI FRAMESのメリットと問題点について知ることができます。
- MISUMI FRAMESの操作方法を知ることができます。
- MISUMI FRAMESが設計業務で活用できそうか参考にできます。
- 【結論】MISUMI FRAMESは使える?
- MISUMI FRAMES(ミスミフレームズ)とは?4つのメリット
- メリット1:直感的な操作で筐体設計が可能
- メリット2:設計工数9分の1
- メリット3:中間ファイルでCADソフトに取り込み可能
- メリット4:部品表の自動出力・自動見積が簡単
- 使用して感じた問題点
- まとめ
【結論】MISUMI FRAMESは使える?
使えます。工数が圧倒的に削減できるのは確かです。
筐体の設計では欠かせない存在になりそうです。
通常のやり方では、
アルミフレーム一つ一つのCADデータをインポートして、
移動やら合致やらを繰り返すやり方です。
もし変更があればその都度やり直しで、結構めんどくさいです。
一方ミスミフレームを使えば、
アルミフレームをサクサクつなげて箱を作れて、
カバーや扉もライブラリからポンポン割り当てるだけです。
サイズ変更したいなら、マウスで伸び縮みできるし、型式も自動で反映されます。
手持ち3Dソフトにてインポートできるので、
3Dソフトとも連携して設計ができます。
ただ万能かと聞かれたらそういうわけでもありません。
使用感的にストレスを感じることがあり、まだまだ改善点はあると思います。
MISUMI FRAMES(ミスミフレームズ)とは?4つのメリット
ミスミが提供する、製造装置のカバーや安全柵などに使うアルミニウム製フレーム筐体の設計から部品発注までを支援するソフトウェアのことです。
MISUMI FRAMES(アルミフレーム筐体設計ソフト) | MISUMI-VONA【ミスミ】
驚きなのが無料で利用できるということ。
ホームページから手持ちのパソコンにダウンロードして利用することができます。
ミスミが強調している4つのメリットについて解説します。
- 直感的な操作で筐体設計が可能
- 設計工数9分の1
- 中間ファイルでCADソフトに取り込み可能
- 部品表の自動出力・自動見積
実際に触ってみて検証してみます。
メリット1:直感的な操作で筐体設計が可能
まるで鉛筆で描くようにアルミフレームを配置することができます。
しかも取付ブラケット、ナットも自動で配置してくれるなど面倒な操作を自動化されます。
実際に安全柵を作成してみましょう。
流れは、
柵フレーム作成→パネル追加→扉追加 の順で進めて行きます。
柵フレーム作成
こちらが操作画面です。
左側に商品選択パネルがありますので、
そこでアルミフレームを選択しサイズを選択します。
次に3D平面上でクリック。
長さの数値を問われるのでキー入力します。(黒塗りの箇所です)
高さ方向にも配置して立体的な箱にします。
とりあえず外枠は完成しました。早い!
ワンクリックでパネル追加
続いてカバー類を追加します。
同じように「商品選択」でパネルを選択。
板厚や色などの仕様に合った型式を選びます。
アルミフレームの内側にカーソルを合わせると緑にハイライトします。
そこでクリックするとパネルと取付ブラケットが追加されます。
(めっちゃ楽・・)
ワンクリックで扉追加
基本的にはパネルと容量は同じです。
商品選択から「扉ユニット」を選択し、商品を選択。
「右開き/左開き/観音開き」のパターン分けがされています。
扉サイズごとにも分類わけされてて、長い扉にはツナギ材があります。
完成
完成版です。所要時間はおよそ10分でした。
メリット2:設計工数9分の1
こんな記事がありました。
記事によると、最大90%の時短につながったといいます。
例えば、3次元(3D)CADで110分かけて作成した作業台の設計が20分で済む。他の設計でも安全柵は160分から30分、扉付き台車は360分から40分に短縮できる。同社は「約9分の1の時間で設計できる」(ミスミグループ本社)と強調する。
使ってみてこれはあながち間違っていないと思います。
逆になぜ110分時間がかかっていたのでしょうか?
3DCADで作成する場合、面倒な手間がかかるからです。
- ウェブから3Dデータをダウンロードする
- 3DCADにインポートする
- 大体の場所に移動させる
- 周辺部品と合致拘束で位置決め
これらのステップを部品1点1点くり返すので、
規模によっては膨大な作業量になります。
出図時はトータル個数をカウントしなければなりません。
ちなみに下図は先ほど作成したフレームの使用個数を表示しています。
総アイテム数が281個。
3DCADで全て配置・合致すると考えると、ゾッとします。
(もちろんCADにもパターン配列など駆使できますが、それでも手数は多いでしょう)
MISUMI FRAMESならその手間を省略できます。
メリット3:中間ファイルでCADソフトに取り込み可能
作成した筐体は中間ファイル形式でエクスポートします。
STEP/Parasolid/DXFの3パターンです。
試しにSTP形式で出力し、SOLIDWORKSでインポートしてみました。
取り込み状態はアセンブリ形式、ぶら下がってるサブアセンブリやパーツはそれぞれミスミの型式が割り当てられています。
MISUMI FRAMESの構成要素を保持できているので、
SOLIDWORKSからリスト出力して手配することもできます。
もし修正を入れるなら、
「再度MISUMI FRAMESで修正してインポート」
又は、
「SOLIDWORKS上で変えたい箇所のCADデータをインポートして配置」
の2通りになりそうです。
メリット4:部品表の自動出力・自動見積が簡単
部品表は自動で作成され、見積もりもソフト上で可能
部品表はエクセルで出力可能
「<WOS>型番見積もり/注文」と連携、そのまま発注
部品表
見積書(エクセル)
組立図(PDFとDXF形式)
使用して感じた問題点
- 部品のパラメータを追加/変更するために数秒間止まる
- マウス操作のズーム方向を反転させてほしい
- 図面化しても寸法が見ずらい、手直しする必要あり
とにかくよく止まる印象です。
レスポンスが遅いのが気になります。
無料だからそこは求めすぎな気もしますが。
そのへん改善してバージョンアップを期待します。
まとめ
MISUMI FRAMESのメリットと問題点を解説しました。
設計者としては、
内部ユニットの設計に集中したくて、ガワの設計に時間を割きたくないんですね。
だからガワだけ外注することがあるのですが、それが高額で割に合わないことがあります。
自分で設計はするけど、できるだけ手間をかけたくない設計者のニーズにマッチしていると思います。
ミスミはラピッドデザインやメヴィーなどCAD連携で設計を迅速化するサービスを提供しています。
革新的な取り組みをしているミスミは尊敬に値しますし今後も応援していきたいなぁと。
おわり。