アルパカすりーでぃー

機械設計として日々学んだことを発信しております。たまに筋トレも。

【機械設計】まだAUTOCADでロボットシステム設計しているの?3D設計&ロボットシミュレーションをオススメする理由

 

今回はロボットシステムの設計で苦労した点を書きたいと思います。

 結論から言うと、絶対に3D設計とシミュレーションをしたほうがいいです。

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2D設計で検討されていますか?しんどくないですか?

(内容にもよりますが)

どれだけ入念に2D設計しても、

「周辺装置とロボットアームが干渉する」

「ロボットハンドが行きたいところにとどかない」

「サイクルタイムがわからない」

ってことが当たり前に発生する可能性大だと思うんです。

なので、ことロボット案件については

  • 2Dではなく3D設計で設計
    検討すること
  • シミュレーションして干渉がないか確認すること

の2つをオススメ、というか絶対したほうがいいです。

 

 

 

 ロボット設計の流れ

 

おおまかな設計の流れです。

  1. ロボットの各作業の順番を決める
  2. 設計図に各姿勢を書く
  3. 動作範囲内かチェック
  4. 各作業の干渉確認をする

 ロボットの姿勢を一つ一つを設計図に書いていきます。

干渉してないか?動作範囲内か?

これらを確認して問題なければそれで進めます。

 

 2D設計の末路

2Dではなく3D設計をすべき理由は、

ロボットの三次元的な姿勢を的確に表現できるから

です。当たり前ですけど。

 

初めてロボット案件を任された当時、

すべてAutocadの2D設計で検討してました。

 しかし2D設計では限界がありました。

ロボットシステム設計には2D設計だけでは不十分だったんです。

 

ロボット実物を試運転させてみると、思ってもみなかったところに関節がきます。

関節が周囲と干渉してしまったんです。

なぜ気づけなかった?(-_-;)

もっと入念に設計で確認すればいいのでしょうか。

私はそう思いません。

 

なぜ3D設計が必要か

なぜなら、ロボットは3D装置だからです。

XYZ空間で動きます。

つまり2Dでは表現しきれない動き、姿勢をとります。

それを無理に上面図側面図で表現しようと思っても、

本当に正しいか解らないし、めちゃくちゃ時間がかかります

3D設計であれば三次元的に表現できるためロボット案件にこそ向いています。

周辺との干渉や、その姿勢が現実的かどうかは直感的にわかります。

 

なぜシミュレーションが必要か

 3Dソフトだけでなくシミュレーションソフトで検証までするべきと思います。

理由は、

  • A→Bの動作中に干渉がないか確認が必要
  • サイクルタイムが仕様どおりか確認が必要

だからです。 

3D設計では、各作業の姿勢は表現できても、

「次工程への動作経路・スピード・時間」までは再現できません。

さらに、トータルで何秒かかるかも当然わかりません。

 そこはシミュレーションソフトで検証するしかありません。

 

各社シミュレーションソフト

シミュレーションソフトは各ロボットメーカーで20万~30万ほどで提供されています。

購入しなくても商社さんに検証依頼することもできます。

ファナック

ROBOGUIDEシミュレーション - ROBOT - ファナック株式会社

安川電機

MotoSimEG-VRC - 関連製品 - ロボット - 製品情報 - HOME | 安川電機の製品・技術情報サイト

三菱電機

シミュレーション RT ToolBox3 ソフトウェア特長 産業用ロボット MELFA | 三菱電機 FA

 

まとめ

ロボットシステム設計において3D設計とシミュレーションは必須だということをまとめました。

ロボットは自由度が高いのが魅力の一つですが、

その自由度が逆に表現しにくくなっていて、設計側に負担がかかります。

3Dやシミュレーションといったソフトをうまく使いこなせば、

そのストレスも減り、もっと楽に柔軟に設計ができるのではないでしょうか。

 

おわり